必要とされたかった

私はずっと、人から必要とされたかった。

必要とされる人間に価値があると思うから。

必要とされる人間には秀でたものがあると思うから。

必要とされない人間には、価値がない。

存在している意味がない。

必要とされるためにがんばった。

面白くなくても笑い、苦痛な話でも笑顔で相槌を打つ。

オーバーなほどのリアクション、すごい!さすが!は出し惜しみなく。

自分を下げて笑いを取り、笑ってくれたら安心する。

相手を笑わせた自分は存在してていい。

でも、どんなにがんばってもうまくいかないことはある。

当たり前のこと。縁がなかっただけ。

なのに、私は、自分に足りないものがあるからうまくいかなかったんだ、と思い自分の足りないものを必死に探して糾弾する。

その度に私の心は深く傷つく。

この心の奥底にあるのは、圧倒的な寂しさなんだ、と気付いたのは最近。

実の母親にすら必要とされなかった自分。

必要とされたかった私。

いつも根底にあるのは「私なんて」。

母親にも捨てられた「私なんて」価値がないでしょ?

あなたもいつか私を捨てていなくなるんでしょ?

そう思うことで自分を守って、実際そうなると「やっぱりね」って思う。

自分がそうなるようにレールを引いてることに気付かないふりして。

私は心の勉強をしている今でも、どうやったらこの根強い寂しさが無くなるのか分からない。

今でも、人から必要とされる自分を欲する。

だから苦しい。

今日も、その苦しさを纏ったまま笑う。

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